「籔内佐斗司」カテゴリーアーカイブ

知ること

台風24号が日本列島を縦断していきました。なるべく被害がひどくならないよう祈るばかりです。

自然の猛威には対抗出来ず、せめて被害を受けても最小限に留めることが出来るように心がけたいです。

先週末に掲載しました続編です。籔内佐斗司氏のホームページからお借りしました。

 

西日本大水害に思うこと」の続編

7月13日付けで「西日本大水害に思うこと」と題して、北海道の森林における針葉樹や単一樹種の皆植林・皆伐採の危険性と、代替電力用に急造されている風力発電や太陽光パネルへの危惧を書きました。残念なことに、この夏に日本を次々に襲った強い台風と、9月6日未明に北海道で発生した震度7の地震によって、その危惧が現実化してしまいました。
北海道厚真町の山林で起きた広域の土砂崩れの画像(読売新聞写真部)は、わが国の山林がいかに深刻な病弊に陥っているかを如実に物語っています。私はこの写真を見て、背筋が寒くなりました。これが、もう少し人口の多い地域で起こったらどうなっていたことか。。。
また、風力発電の巨大風車や太陽光発電パネルが、風や雨にいかに脆いものであるかが、次々に証明されています。世界各地で、風力発電の風車が火災事故を起こしたり、絶滅が危惧される大型の鳥たちに甚大な被害を与えていることも報告されています。代替電力への転換と売電事業が、安易な補助金目当てで休耕地や山林を蝕んでいることへの猛省が、官民ともに求められていると思います。
今、確実に進行しつつあることを、まず国民ひとりひとりが正確に知ることが、なによりも大切だと思います。

西日本大水害に思うこと
http://www.uwamuki.com/j/newsJ-f.html

 


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山の保水力

昨日お邪魔したお客様より、これ見て・・・・と、中日新聞の夕刊を見せて頂いたところ籔内佐斗司氏の記事が大きく掲載されておりました。

かなり大きな記事でした。

その記事を読んでいて、ふと思い出したのが籔内氏がホームページに掲載された災害についての内容が灌漑深かったので文章をお借りをして掲載致します。

 

西日本大水害に思うこと

1)山の保水力
10年ほど前に、北海道富良野の東京大学農学部演習林を訪ねたことがあります。演習林一帯は原生林の植生が維持されて、広葉樹の里山から続く美しい混淆林の山麓は多様な樹種で溢れていました。しかし、山頂から演習林以外の周囲の山々を見渡したとき、愕然としました。近代ドイツ式林業に影響を受けた明治以来の「単一樹種による皆植林と皆伐採」が繰り返された結果、有用樹である針葉樹だけの人工の山林が延々と続いていたのです。この状況は全国一律で行われ、いまや日本の山林のほとんどは、杉、檜、松の人工林だらけになってしまいました。
広葉樹の落ち葉は、表層土の上に厚く堆積し発酵しながら、昆虫や菌類やバクテリアを涵養してさまざまな養分を生み出し、それが雨水とともに地下水系や川を通って里山や海に流れ込んで、生きものを育みます。わが国の豊かな沿岸漁業は、広葉樹の山によって育まれていたのであり、気仙沼の牡蛎養殖家・畠山重篤さんの「森は海の恋人」運動は、まさにこのことをいっています。
広葉樹の厚い落ち葉の層は、雨水や雪解け水をたっぷり吸収し、山の保水力の一翼を担います。その点、針葉樹の落ち葉の層はザルのようで、保水力は期待できません。広葉樹や混淆林の自然林と、針葉樹だけの人工林の保水力の違いは歴然で、集中豪雨になれば、濁流は人工林の山から一気に平地に流れ込みます。それにくわえ、広葉樹は深く根を張って地面をしっかり保持しますが、針葉樹は浅く広く根を張るため、表層土が流れると一気に山崩れを起こしてしまいます。西日本大水害は、地球的規模の気候変動だけが原因ではないことは明白です。

2)「此処より下に家を建てるな」
東日本大震災のあと、岩手県の陸前高田や宮城県の石巻などへたびたび出かける機会があります。ご存じの通り、陸前高田の市街地は大津波で全滅しました。そして少し高台へ上がる道の途中には「此処より下に家を建てるな」などと彫られた古い石碑を見かけました。昭和の初めの津波が到達した地点に先人たちが子孫へ遺してくれた警告でした。しかし戦後、その石碑の下の平地につぎつぎと市街地が造成されていったのです。山崩れや洪水は、人が住んでいるところで起こるから災害になるのであって、人がいなければ単なる自然の営みに過ぎません。
津波の後、陸前高田では周辺の山を大規模に削り、その土で被災地全体に6メートルの嵩上げ工事を行いました。そのおかげで、剥き出しになった山肌から土砂が河川に流れ込むようになり、あらたな山津波が懸念される事態になっています。

3)費用対効果
陸前高田では、津波対策として沿岸一帯を高さ10メートルのスーパー堤防で囲ってしまいました。しかし1000年に一度といわれる大津波のために、100年ほどしかもたない鉄筋コンクリートの巨大な堤防を造る意味があるのでしょうか?それより遙かに少ない予算で、高台移転をした地区への効果的なアクセス、たとえば緊急用のエレベータやエスカレータの設置など、また避難施設を兼ねた多目的ビルをたくさん造り、それを高架橋で繋いで観光用の周遊路を造って電気自動車を走らせるとか、もっと有効な街づくりの方策はなかったのでしょうか?そもそも、6mの嵩上げ工事をしたうえに10mの堤防は必要だったのか?10mの堤防を造ったのなら6mの嵩上げ工事は必要なかったのではないのか?そして永年海の恵みに依拠してきた陸前高田のひとびとから海岸を取り上げて、はたしてこの街の復興といえるのでしょうか?
震災以後、行政は原子力発電の代替事業として、大慌てで山を削り大量の太陽光発電パネル設置を推進し、また山の頂の木を刈ってほとんど回転することのない風力発電の巨大な風車を続々と建てました。太陽光パネルに耐用年数がきたときの廃棄にかかる莫大な費用は考慮されていたのでしょうか?風力発電の風車の稼働率を、きちんと検証しているのでしょうか?いや、そもそもわが国の美しい風土に、これらの醜い構造物が相応しいのでしょうか?

津波や水害は自然災害といわれますが、実際は愚かな人間の短慮が自然のバランスを崩し、ひとが住むべきではない場所に街を造ってしまったことによる人災である面が大きいことは明らかです。海や山や川に神を見た先人のこころと治山治水の英明な経験知に、現代人は謙虚に学ぶべきだと思います。
末筆ながら、今回の水害で犠牲となった方々に哀悼の意を表し、被災されたみなさまにこころよりお見舞いを申し上げます。
籔内佐斗司

 


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慧日寺薬師如来 参

先日より何度かご紹介させていただいております籔内佐斗司氏の福島県磐梯町慧日寺金堂薬師如来想定復元像の完成除幕式および披露宴が盛大に挙行されました。

下記ホームページよりご紹介です。

7月30日(月)、真夏の快晴の青空の下、福島県磐梯町慧日寺金堂薬師如来想定復元像の完成除幕式および披露宴が盛大に挙行されました。
磐梯町だけでなく、奈良からは興福寺・多川俊映貫首、薬師寺・松久保伽秀執事長、室生寺・網代智明座主、京都からは清水寺・森清範貫主などの徳一ゆかりの多くの寺院のほか、国や福島県庁からも大勢の関係者が参列され、この事業が各方面から大きな注目を集めていたことを如実に物語っていました。また除幕式では、東京藝術大学の澤和樹学長のバイオリン演奏で、堂内が格調高く荘厳されました。

また夕方からは金堂前の特設ステージで、東儀秀樹さんの記念コンサートが開催され、千数百年の時空を超えた素晴らしい演奏で薬師如来の完成を祝ってくださいました。

磐梯町慧日寺資料館では、「2018とくいつ藝術祭」として、「磐梯山 慧日寺薬師如来坐像ができるまで」と題した特別展が11月30日(金)まで開催されています。ぜひ、薬師如来とあわせてご高覧下さい。

↑薬師如来-右側面

↓各新聞記事より

 

↓東儀秀樹氏のコンサート会場

*すべての画像はお借りしました。

 

かなりの完成度と評判のようです。

東海方面からは少し遠いですが、11/30まで開催しておりますので是非ご覧くださいませ。

 


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オークション

今日から8月、暑さ引き続きも↑↑のようです。皆様、ご自愛くださいませ。

先月に買取のご相談を受けておりましたお客様よりご依頼を受けて、代行でオークションに出品される事になりました。

大手買取専門会社では納得の価格を付けて貰えないとの内容で弊社にお任せいただけるとの流れとなりました。

作品は有名画家の油彩となりますのでオークションへの手数料を除いても買取会社の見積りよりもかなり高値で売れる予定でございます。

但し、直ぐに換金したいという方には不向きでございます。

オークション出品には専門的な知識も必要となりますので詳細を知りたい方はお問合せください。

お問い合わせはホームページのお問合せ欄よりお気軽にどうぞ!

 


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慧日寺薬師如来 弐

昨日に掲載しました慧日寺薬師如来を復元制作について反響がありましたので追加です。籔内ファン・仏像・寺院仏閣に興味のある皆様・お時間のある方は是非ご覧になられては如何でしょうか?

 

【告知】
かねてよりお伝えしている福島県磐梯町の慧日寺金堂の薬師如来坐像の現地制作が佳境に入っています。

金箔仕上げ→古色付け→古色彩色の順で作業が進み、これからは古色付けと彩色は繰り返し施されて、日々その容貌が変化していきます。

また、いよいよ9日には台座光背を、10日には本体を金堂に搬入し、7月30日の完成披露式まで細かな仕上げ作業が繰り返されます。

大きな像や台座光背を、狭い入り口から搬入し安置する作業は、たいへん困難です。現在、繰り返しシミュレーションも行っています。

8月以降の一般公開を、お楽しみに!

 

7月30日(月)に一般公開を迎える、福島県磐梯町の慧日寺金堂の薬師如来坐像制作は、猛暑の中、大詰めを迎えています。
磐梯町駅前工房から金堂に移された薬師如来は、粛々と古色作業と繕い作業が続けられています。
京都や奈良にも負けない立派なほとけさまができつつあります。
7月18日(火)には、町内の小中学校から課外授業として、クラス単位で子どもたちが続々と見学に訪れ、説明役の籔内教授に賑やかにかわいい質問が浴びせられました。

これ木彫です。下の工程表にあるように寄木をして彫るのも大変ですが、この質感に漆を使用したり何層にも色塗りをしてありますので凄いの一言です。

感嘆詞しか出ません。

現代の優れた彫刻師籔内佐斗司氏が制作監修された仏像を是非ご覧になってください。

ユーモアあふれるオリジナルの作品とは違った凄さがわかります。

展示会の詳細です。

磐梯とくいつ藝術祭
開催日時:2018年7/30(月)ー11/30(金)
9:00〜17:00(受付16:30まで)
会  場:磐梯山慧日寺資料館、金堂
入館料:一 般・大学生500円、高校生400円、小・中学生以下300円

※藝大メンバーによるギャラリートーク
8/11(土) 13:30~15:00
慧日寺薬師如来復元制作プロジェクトのこれまでを、
藝大メンバーがわかりやすく解説します。

主催:磐梯町

後援:徳一菩薩研学敷衍の会
東京藝術大学大学院美術研究科文化財保存学専攻保存修復彫刻研究室
お問い合わせ:磐梯山慧日寺資料館  http://www.town.bandai.fukushima.jp

当研究室で後援している『磐梯とくいつ藝術祭』が今年も開催されます。
昨年、磐梯町駅前工房で公開制作をおこっていた薬師如来像の完成した姿を皆様に披露いたします。

*すべての画像はお借りました。

 


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