「彫刻」カテゴリーアーカイブ

War Guilt Information Program(WGIP)

本日は奈良県立美術館館長・籔内佐斗司氏のSNSより・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

8月15日に思う
奈良県立美術館館長・籔内佐斗司
 8月15日は、感慨深い日です。従軍経験のあった私の父は、軍隊生活を「地獄やった」と嫌悪していましたが、戦争に負けた日本が悪かったとはまったく考えていませんでした。
祝祭日にはかならず日の丸を掲揚していましたし、皇室も敬っていました。
私が高校生の頃、新左翼にかぶれたときは、頭ごなしに否定しないで、真剣に語り合おうとしてくれました。
そんな父のおかげで偏向した思想を持たずにすんだように思います。
 戦後の日本が外交の拠り所としている国連は、第二次世界大戦時の日独伊の枢軸軍・Axis Powersと戦うために結成された連合国軍・Allied Forcesが原型です。
そして国連憲章第53条には、いまだに枢軸国を対象にした「敵国条項」が残っています。また国連内の公用語は、戦勝国である英語、仏語、露語などとともに中国語も入っていますが、公式の会議において日本語での発言は認められません。
 主権回復して70年も経つのに、横田、岩国、嘉手納の三つの米軍基地を中心とした広大な空域の上空7000mまでは米軍の管制下にあります。
そしてそこを通過するすべての航空機は、その都度米軍の許可が必要であり、その監視下に置かれます。
ドイツやイタリアの全空域は、それぞれの国内法が適用されているにもかかわらずです。
 1945年の敗戦後の日本で実施されたのが、War Guilt Information Program(WGIP、戦争犯罪広報計画)という占領政策でした。
占領軍文書によると「(占領軍が)東京に入ったとき、日本人の間に戦争への贖罪意識は全く存在しなかった。
(略)日本の敗北は単に産業と科学の劣性と原爆のゆえであった」と考えていたために、7年間の占領期間に、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)は、戦争への罪悪感を日本人に植えつけようとしました。
そしてそれは、米軍による無差別爆撃や原爆投下によって、非戦闘員の市民を何十万人も殺戮したことは、日本人を軍国主義者から解放するためのやむを得ない行為で、国際法に抵触するものではなかったと洗脳することに成功しました。
しかし私たちは、東京裁判において、インド人のPal判事が、戦勝国側が主張した主な訴因である平和と人道の罪に疑義を呈し、「それならば、連合国の戦争犯罪も裁かれるべきだ」と主張した正論を学校でしっかり教えるべきでしょう。
また、陸軍中将で思想家の石原完爾氏は、「歴史をどこまでさかのぼって日本の戦争責任を問うのか」と判事側に質し、「およそ日清・日露戦争まで遡る」との言質を引きだし、「それなら、ペルリ(ペリー)をあの世から連れてきて、この法廷で裁けばよい。
もともと日本は鎖国をしていて、朝鮮も満州も不要であった。
日本に略奪的な帝国主義を教えたのはアメリカ等の国々ではないか」。
現代にこれだけの正論を堂々と展開できる報道機関や政治家が右にも左にもいないことは、WGIPの呪縛がいまだに解けていないことの証でしょうか。
 一方、ベトナム戦争時の国務大臣であったRobert McNamara氏の回想録フィルム『Fog of War』で、第二次大戦中の自身の上官であった空軍司令官Curtis LeMay将軍(1906−1990)が、日本の大都市のみならず中小都市への焼夷弾での無差別爆撃と二発の原子爆弾投下を指揮したことについて、「もし米国が日本に負けていたら、われわれは戦争犯罪人として裁かれていた」と述懐し、自分が確信犯であったことを認めています。
しかし1964年の東京五輪の年に、航空自衛隊創設の功により、彼に勲一等旭日大綬章を贈ったことは、お人好しにもほどがあると思います。
 首相や政府高官が靖国神社に参拝するたびに、A級戦犯合祀問題が蒸し返され、韓国や中国のみならず、彼らに同調する政治勢力やマスコミから厳しい糾弾の声が上がります。
ひとたび「悪人」と決めつけた人物を、死後も永遠に呪い続ける文化に対し、どんな極悪人でも亡くなればすべてを水に流して赦し、その霊を神として慰霊するのが日本文化であることを強く主張できない、これもまさにWGIPの残滓でしょう。
 10世紀に朝廷に反旗を翻し、新皇将軍を名乗って東国の独立を画策した平将門は、今では神田明神のご祭神として篤い信仰を集めています。
また『重衡』という能は、平安時代の末に南都を焼き尽くした平重衡の死後の苦悩を描いた修羅能です。
この演目が興福寺で催されたとき、当時の多川貫主が「重衡のお陰で、すばらしい鎌倉時代の仏像が生まれたともいえますね」と穏やかに仰っていたのが思い出されます。
 日本人がWGIPの洗脳から目覚め、やまとごころを取りもどしたうえで、世界とつきあえる日は来るのでしょうか?
図版;Pal判事
Curtis LeMay将軍
*画像・内容は籔内佐斗司氏よりお借りしました。

 

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1964

昨日掲載の籔内佐斗司氏の来年干支シリーズのお問い合わせを複数頂きました。

ありがとうございます。

それぞれ今後個別に対応させて頂きます。

宜しくお願い申し上げます。

まだ未発表の作品もございますので詳細は明確になり次第お伝えして参ります。

本日は籔内佐斗司氏のSNSより・・・・・・・

 

 

「東京オリンピック私見」
奈良県立美術館館長 籔内佐斗司
 前回の東京オリンピックが開催された1964年、私は小学校の5年生でした。10月10日の開会式の当日が半ドンになったので、友人たちと学校で遊んでいたら、担任の先生から「一生に一度観られるかどうかの開会式やから、早く家に帰りなさい」と促されて、「そんなもんかな・・」と思いながら、スポーツ観戦にあまり興味がなかった私は、しぶしぶ下校した記憶があります。今思えば、きっと先生も見たかったのでしょうね。
 それでも小さなテレビを囲んで家族で観た開会式には心が躍りました。
とりわけ今井光也氏(1922-2014)作曲によるファンファーレはかっこいいなあと感激しました。
また小関裕而氏(1909-1989)の「東京オリンピックマーチ」に乗って整然と行われた入場行進にもワクワクしました。
どちらも永遠に残る名曲でしょう。
 そして亀倉雄策氏(1915-1977)が担当したシンボル・マークやポスターは、子ども心も感動させる傑作でした。
最近、米国のデザイン界の大御所で「I♡NY」のロゴで知られるMilton Glaser氏(1929-)が、1924年のパリ大会から2022年の北京大会までの歴代のオリンピック・ロゴマークを集めて、100点満点で採点していましたが、1964年の東京大会のロゴマークを92点という圧倒的な高得点で「最高の五輪ロゴ」として第一位に選んでいることからも評価の高さがわかります。
 今回、最初の佐野研二郎氏によるロゴマーク選考のごたごたはみっともないかぎりでした。
まず、彼の作品が発表されたとき、失礼ながら、亀倉氏の作品と比べるとあきらかに見劣りすると感じました。
しかし何よりもお粗末だったのは、盗作問題などを指摘された後の決定権者である組織委員会の対処の仕方でした。
紆余曲折の結果、仕切り直して野老朝雄(ところあさお)氏の日本らしく美しい意匠である「組一松紋」に決まったことは喜ばしいことでしたが、最初からこれが選ばれていたらどんなにすっきりしたことでしょう。
 さて、運営費の肥大化、トップの失言や失態の連続、そしてコロナ騒動や度を超した誹謗中傷の嵐の中、大きな混乱もなくやり遂げた組織委員会や関係者は賞賛に値すると思います。
しかし、熱心な視聴者でなかった私にとやかくいう資格はありませんが、国立競技場という新旧の建造物を始め、開会式や閉会式の企画や演し物を垣間見たかぎり、日本の文化力と創造力は、1964年からの57年間で幼稚化し弱体化したという印象は否めません。
宝塚歌劇団の『君が代』斉唱はさすがでしたが、その他に披露された演技や舞踏、大道芸などでは、肉体の表現者として世界最高峰のアスリートたちが、途中で飽きて寝転がったり帰ってしまった気持ちがよくわかります。
 そして1964年当時のブランデージ会長が、昭和天皇に敬意を込めて日本語で開会宣言をお願いした姿に比べ、今回のバッハ会長の今上陛下に対する礼を失した態度には違和感を覚えました。
また、オリンピックの商業化がいわれて久しいですが、今回の大会では、米国の放映権の都合からか、爽やかな10月ではなく、選手たちを無視した猛暑の8月開催になったことも禍根を残しました。
 素人の私見ではありますが、これからは開催地を世界の大都市が持ち回るのではなく、産業基盤が弱体なギリシア経済振興を目的に、オリンピック発祥の地アテネに開催地を一元化してはどうでしょうね。
そして企画運営や催しなどを各国で担当し、大会終了後にその能力や創造性を採点して、文化五輪として金銀銅のメダルを授与するのも一興でしょう。CO2削減やSDGsが賑やかな昨今、資源の節約や開催経費の削減は大いに歓迎されると思います。
いやその前に、利権に狂奔する国際オリンピック委員会の抜本的改革の方が先かもしれません。
図版;傑作!東京五輪1964のシンボルマークとポスター
*画像・内容は籔内佐斗司氏よりお借りしました。

 


 

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毎年ファンの方に楽しみにして頂いている籔内佐斗司氏の干支シリーズですが、来年の干支シリーズ(ブロンズ)の一部が例年より少し早く発表となりました。

寅年の方、必見です。🐯

 

籔内佐斗司氏談

猛暑の最中に恐縮ですが、来年の干支「寅」のブロンズ作品の広報チラシが出来ましたのでお知らせします。
ひとつは壁掛けにもスタンド形式でも楽しめる『虎の面』
もう一つは、恒例のおきあがり小坊師形式の『寅』
今年は、純金箔と手彩色で仕上げた豪華版です。でも定価は、やせ我慢の据え置き。
寅はその他に2作品、新作ブロンズも現在制作中ですので、
そちらもお楽しみに

 

 

 

 

その他の作品や詳細が発表され次第お伝えして参ります。
籔内佐斗司氏の木彫作品・ブロンズ作品のお問い合わせはお気軽にどうぞ!
*画像・内容は籔内佐斗司氏よりお借りしました。

 


 

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作品の買取・オークション出品・遺品管理・・・・

今年に入ってから多くの買取・オークションのお問い合わせを頂いております。

ただ緊急事態宣言が発令されたりとタイミングが合わない事も多い年でもあるのですが、昨日は名古屋市内のご新規のご自宅へお邪魔して参りました。

作家・作品名のオープンはご希望されておられないので割愛させて頂きますが有名なコレクターの方で多くの著名な作家・作品がございました。

コレクションを見るだけでも価値がありましたし弊社にご連絡を頂けただけでも有難い限りでございます。

ありがとうございました。

ご用命は粛々と進めて参ります。

宜しくお願い申し上げます。

最近のコロナ感染者数の増加により愛知県にもまん延防止等重点措置は適用されるようですが、ご自宅にお邪魔をする場合には感染対策をしっかり行って対応しております。

ご新規のお問い合わせに関しましては最初にお持ちの作品の画像などを頂いて・・・ご相談をさせて頂き話がまとまり近距離であれば買取・オークション出品の場合は作品を回収の為、お邪魔させて頂く事も可能です。

またご心配であれば宅配便を使用することも可能です。

臨機応変に対応させて頂いておりますので作品の買取・オークション出品・遺品管理等のご相談はお気軽にどうぞ!

 

ちなみに・・・・・artbondは

・海外・国内の美術品全般を中心に販売・買取致します。

・美術展・作家による展示会のプロデュースを行います。(企画展内容・会場確保・期間・集客方法・集客・販売まで全部ご相談させて頂き展示会の成功へと導きます。)

・海外・国内のオークション代行(お手持ちの作品で不要になった作品などを高値で売買する事が出来ます。)

・海外で作品をお探し致します(特にリキテンシュタイン・ウオーホル

ウェッセルマン・ジムダイン等ポップアートなどを得意としております)

・琳派後継者の鶴田一郎正規取扱い店

・籔内佐斗司の正規取り扱い店

等を行っております。

その他の美術品に関しましてのお問い合わせも受け付けておりますので、お気軽にどうぞ!

宜しくお願い申し上げます。

 


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National Trust

本日は奈良県立美術館にて開催されておりますウィリアム・モリス展について館長籔内佐斗司氏の寄稿PART2より・・・・・・

 

 

 

ウィリアム・モリス展に寄せてPart2

National Trust
奈良県立美術館館長・籔内佐斗司
 かつて、英国本土であるGreat Britain島の大半は、豊かな森に覆われていたそうです。
しかし、永年にわたる燃料や建築用材、船舶資材などの利用で森林は激減してしまいました。
しかし、羊の牧草地確保のためにその復元を行わなかった結果、現在のような英国の景観ができあがりました。
またその副産物として、羊飼いの芝生の遊びとしてゴルフやポロ、フットボールなどが盛んになったとか。
そして、18世紀に薪の代わりに石炭を燃やし始めたことで大きなエネルギーが得られ、蒸気機関による産業革命に成功したというのが近代史の定説です。
 18世紀末、英国では毛織物だけでなく、綿製品も紡織機械で大量生産するようになり、19世紀になると植民地インドの綿布産業を壊滅させ、綿花の供給地としてアメリカ南部の大規模農園が盛んになって、その労働力確保のためにアフリカから黒人奴隷が大量に導入されました。
そして過酷な労働がもとで南北戦争(1861−1865)を引き起こし、現代まで続く米国の人種問題の遠因になりました。
極東の島国育ちの私たち日本人は、明治の文明開化と産業革命の経済効果のみを評価し勝ちですが、それが引き起こした地球規模(global)の負の変動には鈍感です。
 産業革命のお家元の英国では、19世紀半ばに早くも近代産業への反動が起きました。
美しい郊外を騒音と煤煙と悪臭をまき散らしながら爆走する蒸気機関車への反発はたいへんに強く、また大都市の劣悪な工場労働による人間性の疎外が早くから社会問題となり、社会主義運動が盛んにました。
 文化財保護の面では、1880年代からウィリアム・モリスらを中心に始まった手仕事に立ち帰ろうとしたのがアーツアンドクラフツ運動であり、1895年から展開された歴史的建築物の保護を目的として設立されたのがボランティア団体ナショナル・トラスト(National Trust for Places of Historic Interest or Natural Beauty)でした。
ナショナル・トラスト運動は、わずか3名の民間人によって始められました。オクタヴィア・ヒル女史はロンドンの工場労働者の住環境改善運動を始め、ロバート・ハンター弁護士は環境保護の訴訟に取り組み、ハードウィック・ローンズリー司祭は、英国北西部の風光明媚な湖水地方の鉄道建設反対運動を展開しました。
また中世後期から続いた資産階級Gentry層が産業革命に乗り遅れて没落し、彼らが各地に所有していた広大な邸宅や領地を維持できなくなったことが、英国特有の景観を保護しようとするこの社会運動の推進力になりました。
なお、日本版ナショナル・トラストである財団法人観光資源保護財団が設立されたのは、英国に遅れること73年も後の1968年のことでした。
 閉幕まで残り一ヶ月となった奈良県立美術館「ウィリアム・モリス展」も、こうした歴史的背景を踏まえた上でご覧になると、また違った印象をお持ちになるのではないでしょうか?
図版;Knole House(撮影;小島久典)
 ケント州にある16世紀に建てられたお城のようなGentryの邸宅(Country House)。ナショナル・トラストが維持・管理している。
*画像・内容は籔内佐斗司氏よりお借りしました。

 

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