カタカナ語の氾濫

本日は籔内佐斗司氏のSNSより・・・・・

京都新聞「ソフィア」の寄稿の誌面が「読めない!」とたくさんのお叱り頂きました。そこで、誌面とはやや異なりますが、原文を掲載いたします。
カタカナ語
 今から百数十年前の話だ。福澤諭吉や西周(にしあまね)、岡倉天心ら明治時代の知性が、英語を概念から深く考えて漢字表現の新しい日本語を生み出し、その後の日本の近代化に大きく寄与した。
そして、その日本語が中国や朝鮮半島などの漢字文化圏にも広く行き渡って東アジアの近代化に大きく貢献し、今では日本発祥の漢語表現がなければ政治も学問も成り立たない状況だという。
中華人民共和国、中国共産党、朝鮮民主主義人民共和国のうち、共和国、共産党、民主主義というそれぞれの国体の中核をなす語句は日本発のグローバル言語といえるだろう。
 しかしバブルが崩壊し MBA の取得が流行った頃からだろうか、特に近年、マスコミを含め多くの日本人が、聞きかじりのカタカナ語をその背景から理解することをしないまま安易に使っていることはたいへん憂慮すべきことだと思う。
コロナ対応の際に、東京都知事が耳慣れないカタカナ語を濫発して大いに混乱を招いたことは記憶に新しいことだ。
 最近、グローバルやダイバーシティ、サスティナブル、ガバナンス、アーカイブ、インキュベーション、テニュアトラックなどのカタカナ語の氾濫は枚挙に暇ない。
しかし日本語に置き換えて考える努力を怠ると、いつまでも欧米の後追いに明け暮れることになり、また自分たちの言語でものごとを考えなくなって、わが国の知的活力は衰退の一途を辿るだろう。
どうしても外来語を使う必要があるのなら、万葉びとが漢字仮名交じり表現をあみ出したように、原語表記を原則とすべきだろう。
幸い現代は、横組みの文書が主流だし、意味が解らなければ辞書で調べることができるし、綴りを正確に覚えられて、不可解なカタカナ語よりずっと役に立つ。留学生に、「日本語でなにがいちばんむつかしい?」と訊いたとき、「カタカナ語」という答を聴いて大いに納得した。たしかに私も香港で、「麦当労」 ( マクドナルド ) 、「肯 徳 基」(ケンタッキー)を初めて目にしたときは目眩がした。
 最近、美術分野でよく見かける Curator は、英国とアメリカでは仕事の役割が異なる。
日本の美術館・博物館では従来の学芸員や学術研究者で充分意味は通るし、その内容を補足するのであれば、「管理」「企画」「蒐集」「展示」「教育」「表現」などと追記すれば、仕事がよりわかりやすく正確になるだろう。また Curation については、松岡正剛氏が編集工学というすばらしいことばを発明している。
安易なカタカナ語の乱用はやめて、外来語を概念から問い直しながら美しい日本語に置き換える努力を、伝統的知性が集積する京都を代表する貴紙こそが、他の魁となって欲しいものだ。

 

前回ご紹介した京都新聞の「ソフィア」の原稿です。

 

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4月2日付けの京都新聞の「ソフィア 京都新聞文化会議」欄に、カタカナ語の氾濫にもの申す一文を寄稿しました。

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