本日は大変貴重な企画展のご案内です。
現在この作家の作品・シルクスクリーン等を所有することは大変難しくなりましたポップアートの第一人者アンディ・ウォーホルの企画展です。
東京での開催となりますが、タイミングの合う方は是非ご覧ください!
Andy Warhol, Self-Portraits (1977-1986). © The Andy Warhol Foundation for Visual Arts, Inc. / Licensed by Adagp, Paris 2025. Courtesy of Fondation Louis Vuitton Paris. Photo credits: © Primae / Louis Bourjac
エスパス ルイ・ヴィトン東京では、現代美術を代表するアーティスト、アンディ・ウォーホルの名作から知られざる作品までを集めた展覧会「Andy Warhol – Serial Portraits」を開催いたします。
本展は、東京、ミュンヘン、ヴェネツィア、北京、ソウル、大阪のエスパス ルイ・ヴィトンにて、これまで未公開だったフォンダシオン ルイ・ヴィトンの所蔵コレクションを世界各地の観客に届けるという理念に根差した「Hors-les-murs(壁を越えて)」プログラムの一環として実施されるものです。
アンディ・ウォーホルは多方面で活躍した、ポップアートを代表する巨匠の1人です。
1949年に広告イラストレーターとしてキャリアをスタートしてから1987年に没するまで、ニューヨークを舞台に活動し、非常に多くの作品と功績を残しました。
大量生産されたカラフルなシルクスクリーン作品で有名ですが、同時に映画監督、音楽プロデューサー、ショーデザイナー、テレビ司会者、セレブリティ雑誌の編集者など、さまざまな顔を持っていました。
こうした多彩な活動の中で、ウォーホルは自身のイメージを自在に操り、いくつもの別の顔を作り上げることを楽しんでいました。
これは生涯にわたって手掛けたシルクスクリーンの自画像や、演出された写真、いわゆる「ステージド・フォトグラフィ」の数々からも明らかです。
ウォーホルにとって人物を描くことは、アメリカ合衆国ペンシルベニア州ピッツバーグのカーネギー工科大学(現カーネギー・メロン大学)在学当時から1987年にニューヨークでこの世を去るまで、一貫して芸術活動の中心を占めるテーマでした。
周囲の人々をひたすらスケッチし、写真に収め、フィルムに映し、シルクスクリーン作品にしていきましたが、とりわけ映画スターや上流階級、アート界の著名人たちを好んで題材としました。
こうして長年にわたり蓄積された数えきれないほどの人物像は、やがてその時代そのものを映し出す集合的なポートレートとなったのです。
ウォーホルは若い頃から有名人に関する新聞の切り抜きを集めており、メディアで大きな注目を集めるには自分を効果的に「演出」することが重要だと早くから認識していました。
そしてウィッグにサングラスという出で立ちで謎めいた人物像を作り上げ、そのイメージを積極的にアピールすることで作品の売れ行きにつながるようにしたのです。
ウォーホルは変装と自己演出の達人で、さまざまなポーズで撮った写真やセルフポートレートでは、実に多彩なキャラクターになりきっていました。
ドラァグクイーンに扮した女装姿のポラロイド写真や、生涯にわたって手掛けた数々の「Self-Portraits」は、外見を自在に操る彼の手腕を物語っており、アイデンティティやイメージの操作とは何かという問いを私たちに投げかけています。
1963-64年に証明写真機で撮影された《Self-Portrait》から1981年の謎めく《The Shadow》まで、本展に集められた作品群からは、メディアにおけるウォーホルの人物像の変遷と、彼の芸術的実践における技法や様式の発展を見て取ることができます。
冒頭を飾るのは、1950年代にボールペンで描かれた若い男性のドローイングです。
ほとんど公開されることのないこれらのドローイングは、彼が初期に手掛けていた広告イラストに見られた、表現豊かで個性が色濃く出たスタイルをうかがい知ることができる貴重な作品です。
この卓越した描画力はその後の創作でも折に触れて現れますが、シルクスクリーン作品においては影を潜めます。
本展は、《Unidentified Male》の私的なスケッチから、亡くなる前年に「フライト・ウィッグ(恐怖のかつら)」の名で親しまれる乱れ髪のかつらを被って証明写真機で撮った写真、そして工業的な手法を制作に取入れる探究を続けた集大成とも言える1980年代の《Ten Portraits of Jews of the Twentieth Century》にいたるまで、一貫した探求の軌跡を辿ります。
ウォーホルはサングラスという仮面の奥から世界を眼差し、シルクスクリーンや多様なカメラ技法を媒介としながら、類まれな適応力と革新的な発想力を発揮し続けたのです。
スケジュール
開催中 |
2025年10月2日(木)〜2026年2月15日(日)あと116日
開館情報
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入場料 | 無料 | ||
会場 | エスパス ルイ・ヴィトン東京 http://espacelouisvuittontokyo.com/ ![]() |
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住所 | 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5-7-5 ルイ・ヴィトン表参道ビル7F | ||
アクセス | 東京メトロ銀座線・千代田線・半蔵門線表参道駅A1出口より徒歩4分 |