人力車 

本日は籔内佐斗司氏のSNSより・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

奈良県立美術館館長 籔内佐斗司
 人力車と聞いて『無法松の一生』を思い浮かべるひとは、もはや数少ないかも知れません。
明治末頃の福岡県小倉を舞台に描いた小説『富島松五郎伝』を映像化、舞台化したものです。
人力俥夫・松五郎の身分の違いによる悲恋が昭和世代の心に強く響く筋立てで、1943年に阪東妻三郎(1901〜1953)が主演して以来、何度も映画化されました。
世相の現実感が一番よく出ているのは、やはり阪妻と園井恵子(1913〜1945)が共演した第一作でしょう。
とくに、宝塚出身の園井さんが醸し出す、上村松園や竹久夢二の絵から抜け出たように可憐で、しかも凜とした美しさは、モノクロ作品のせいもあってか、実写の女性とは思えないほどです。
もはや日本の絶滅種(?)「やまとなでしこ」の理想型です。
その後も、三船敏郎(1958)や三國連太郎(1963)などの名優たちが演じてきましたが、1965年製作の勝新太郎の松五郎もいいですね。
粗野で貧しい一本気の松五郎が密かに思いを寄せるマドンナ役は、若き日の可愛く美しい有馬稲子。
まさに日本版の『Notre-Dame de Paris(邦題は『ノートルダムのせむし男』)』(1939)。
でも、江戸時代以来の身分社会や、極貧の底辺の暮らしが遠い過去になった現代人には、もはや松五郎の本当の悲哀は理解できなくなっているかも知れません。
 さて、人が曳く二輪の乗り物は、18世紀の初めのフランス絵画にも描かれ、また19世紀中頃には英国や米国でも走っていたといわれます。
しかし、欧米ではスピードの速い四輪馬車が普及したために、早くに駆逐されてしまいました。
一方、日本では、道の起伏が激しく狭隘で、また舗装がされなかったために、四輪車はまったく発達しませんでした。
そのかわりに、人が担ぐ駕籠や輿(こし)が主流でした。車輪を持った乗り物では、平安時代の牛車から大八車、そして人力車と、殆どが小回りの利く二輪車です。
また山車(だし)や山鉾と言われる祭用の大型四輪車もわずかにありますが、方向転換ができる操舵装置が発達しなかったのは、馬車の文化がなかったからだと考えられます。
日本の人力車は、1870年に筑前の和泉要助が考案したといわれています。
駕籠より乗り心地がよく、馬車より安価で、日本の道路事情にもぴったりということで、20世紀初めには全国で20万台以上が登録され、近距離の移動手段として大いに普及しました。
しかし、大正時代に来日したアインシュタイン博士は、俥夫が非人道的労働に映ったようで、用意された人力車に乗るのを拒否したと言う逸話も残っています。
戦後にタクシーが普及し、交通手段としての人力車はほぼ消滅しましたが、観光人力車の復活は、1970年の飛驒髙山を嚆矢として、各地の温泉街や古い家並みが残る観光地でぼつぼつと営業を再開しました。
東京では浅草雷門、京都では嵐山界隈を走る観光人力車が旅人の楽しい足として活躍しています。
奈良でも東大寺の参道前に人力車が客待ちをしています。
しかしバスやタクシーよりも割高な運賃とともに、いささかの気恥ずかしさもあるようで、なかなか気軽な足として普及しないのが悩みの種とか。でも、日に焼けて精悍な明るい現代の俥夫さんたちはとても魅力的ですし、全国には女性の俥夫さんもいるそうです。
俥を曳きながら一生懸命解説してくれるのを聴くのは旅の一興でしょう。
でもやはり起伏の激しい奈良公園を真夏の炎天下に走るのはかなりの激務です。
そこで、ホテルの前を出発点に、人力車による朝食前のモーニングツアーや夕食後のナイトツアーを企画すれば、俥夫さんの負担も軽減されることでしょう。
先日、福岡からの4人の遊び慣れた客人のご接待で、レストランでの夕食後に奈良公園から奈良町界隈を人力車で40分ほどの周遊を企画したのですが、タクシーでは味わえない高い視点からの夜の風情にみなさん大興奮で、「人力車がこんな楽しいものとは思わなかった!」と大満足して頂きました。
夜や明け方の寺院や古い街並みは、本当に幻想的です。
これに人力車を組み合わせて、観光資源にしない手はありません。
そして観光目的だけでなく、環境負荷ゼロの人力車を、全国的にもっともっと有効利用すべきではないでしょうか?
人力車ビジネスの将来は、大いに有望だと私は思っています。
図版クレジット;
阪妻と園井恵子の『無法松の一生』(1943)学生帽の少年は、長門裕之さん。
パリの人力車「Les Deux Carrosses by Claude Gillot, 1707」(ウィキベディア)
奈良の観光人力車「やまと屋」
せんとくんも人力車をご愛用

 

*画像・内容は籔内佐斗司氏のSNSよりお借りしました。

 

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