高知県立美術館で、贋作と判断された絵画《少女と白鳥》を公開へ。作品について再考する展覧会が9月から開催

本日は距離的に遠く見に行くことは難しいのですが・・・興味深い企画展がありましたのでご紹介だけ致します。

昨年ニュースで聞いておりましたが、その後って意外と知らない事が多く・・・・失敗から学ぶ的な発想で面白い企画展でございます。

是非、お近くの方はご参加ください。

NO贋作!

 

 

「再考《少女と白鳥》 贋作を持つ美術館で贋作について考える」を9月13日~9月25日、10月4日~10月19日に開催。科学分析の内容や贋作の歴史にも光を当てる

ハインリヒ・カンペンドンクを詐称したヴォルフガング・ベルトラッキ《少女と白鳥》 1990年代 高知県立美術館蔵

贋作だと発覚した高知県立美術館所蔵の《少女と白鳥》

高知県立美術館で、贋作と判断された絵画《少女と白鳥》を公開・再考する展覧会「再考《少女と白鳥》 贋作を持つ美術館で贋作について考える」が9月13日から開催される。

《少女と白鳥》は、ドイツ人画家ハインリヒ・カンペンドンクによる1919年作の油彩画として、1996年に同館が1800万円で購入した作品。2024年6月に贋作者ヴォルフガング・ベルトラッキによる贋作との疑いが浮上したことから、美術館は京都大学准教授の田口かおりと協力して作品の科学分析調査を行った。来歴や証拠資料なども含めて総合的に検討した結果、作品が贋作であるとの結論に達し、今年3月に県および美術館が発表した。

高知県立美術館 外観 撮影:編集部

 

《少女と白鳥》の展示とともに、収蔵の経緯や科学分析の内容を紹介

展覧会では、《少女と白鳥》を公開し、購入・収蔵の経緯や実施された科学分析の内容もあわせて紹介。様々な角度から同作について「再考」を行う。プレスリリースでは、「贋作を収蔵してしまった美術館として、今後同じ過ちを繰り返さないためにも、本展を通して芸術分野における『贋作/偽物と真作/本物』をめぐる諸問題に光をあて、議論の場を生み出すこと」を目指すとしている。

出品作の点数は10点程度が予定されており、展示は全4章から構成。古今東西の主な贋作事件を取り上げ、贋作の歴史に迫る第1章、同美術館の古美術の収集事例を通して、著名な画家の真作と「そうでないもの」の線引きの困難さに光を当てる第2章に続き、第3章で《少女と白鳥》を公開する。

 

ハインリヒ・カンペンドンクを詐称したヴォルフガング・ベルトラッキ《少女と白鳥》 1990年代 高知県立美術館蔵

第3章では、1919年の作品とされていた同館の《少女と白鳥》がその年代に制作されたものではないと判断されるまでに行われた科学調査の詳細を、実際の作品や資料とともに紹介。

加えて同館が美術・法律・科学などの各分野の専門家に投げかけた、今回の贋作事件にまつわる質問の回答を掲示し、来場者が贋作について多角的に考える機会を創出する。

《少女と白鳥》は調査の結果、おそらく1990年代に制作されたことが明らかになっている。最後の第4章では、本展のために田口かおりの調査チームが行った、同館コレクションのマルク・シャガール、マックス・ペヒシュタイン、ワシリー・カンディンスキー、パウル・クレーによる20世紀初頭の油彩画にまつわる科学調査の結果を紹介。

視覚的には同じ色に見えても、実際には異なる成分の絵具が使われていることや、画家たちが使用する絵具が時代や流通状況によって変化することなどを提示する。

なお本展は2期に分かれて開催され、第1期は9月13日~9月25日、第2期は10月4日~10月19日。展示内容は第1期、第2期ともに同じとなる。

恣意的な贋作の制作と流通は犯罪であるいっぽうで、専門家の目をかいくぐる贋作の物語はいまも多くの人の関心を引きつけている。

本展は、28年のあいだ「カンペンドンクの作品」として親しまれた《少⼥と白鳥》にまつわる背景を知るとともに、贋作について広く考える貴重な機会となりそうだ。

 

*画像・内容はお借りしました。

「アートサイト名古屋城 2025 結構のテクトニクス」

本日は名古屋城にて行われる大変貴重で珍しい企画展のご案内です。

期間限定なので、これまた貴重となりますので是非ご覧ください!

 

 

 

 

アートサイト名古屋城では、名古屋城が取り組んでいる「保存・活用」に着目し企画を進めてきました。

2023年には「保存」活動に着目し「想像の復元」というテーマのもと、名古屋城の復元作業に着想を得た作品群を展開し、2024年には「活用」に力点を置き旅の達人・宮本常一の「あるくみるきく」を出発点として、江戸時代から現代まで多彩なアーティストによる旅の表現を紹介し、名古屋城ならではの現代アート展を実施してきました。

3年目となる2025年は再び「保存」に注目し、400年続く名古屋城を形成する素材、築城の技術、そして長年の継承から学ぶことで、新たな創造を導くことを提案します。素材・構造・技術の関係性を、美学・文化的側面から捉える構造の表現をテクトニクスといい、積み上げた礎石の上に木造建築物がのる日本の城郭はまさに独自のテクトニクスの賜物と言えるでしょう。

また、善美を尽くして物を作ることを「結構」といい、アーティストの創作活動はまさに結構なのです。

絵画や彫刻という形式にとどまらない現代アートの作品には、多種多様な素材が用いられています。

いわゆる美術とは縁がなさそうな、さまざまな技術が投入され、アーティストたちは歴史化された過去の表現を継承することで新たな作品を生み出してきました。

「結構のテクトニクス」と名付けられた本展では、最善を尽くして制作された芸術作品(=結構)の根本的な構造表現の美(=テクトニクス)を堪能いただける場を生み出します。

フレスコ画を中心に古典から現代まで様々な描画技法を探求してきたアーティストの川田知志が本丸御殿障壁画をモチーフに、大規模な屋外作品を展開する予定です。

9日間という限られた時間のなかで、制作プロセス、完成された作品、そこで起こるイベント、そして作品が別のかたちへと姿を変えるまでをお楽しみください。

 

スケジュール 2025年10月11日(土)〜2025年10月19日(日)

開館情報

時間
9:00 〜 19:30
作品観覧時間: 10:00〜19:30
※10月18日、19日は16:30まで
※西の丸御蔵城宝館への入場は16:00まで
※本丸御殿への入場は19:00まで、10月17日〜19日のみ16:00まで
※天守閣には現在入場できません
入場料 一般 500円、中学生以下 無料、名古屋市内在住の65歳以上 100円
展覧会URL https://nagoyajo.art/
会場 名古屋城
https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/
住所 〒460-0031 愛知県名古屋市中区本丸1-1

アクセス 地下鉄名城線名古屋城駅7番出口より徒歩7分、地下鉄鶴舞線浅間駅1番出口より徒歩15分

「尾張徳川家 名品のすべて」

本日は9/13(土)より名古屋市東区にございます徳川美術館にて開催されます素敵な企画展のご案内です。

通常の絵画等の企画展とは違い日本の歴史を身近に感じられる内容が来館者に喜ばれている徳川美術館、是非ご覧ください!

 

令和7年(2025)11月、徳川美術館と蓬左文庫は開館90年を迎えます。

昭和10年(1935)、徳川美術館は名古屋で開館し、蓬左文庫は東京目白の尾張徳川家邸内に開館ののち、同25年に名古屋市に移管されました。

ともに御三家筆頭であった尾張徳川家の収蔵品を守り伝える施設として、活動を続けています。

本展では、重要文化財を含む名品と、昭和から令和に至る90年の歩みを物語る関連資料を通して、徳川美術館と蓬左文庫の全貌を紹介します。

 

スケジュール 2025年9月13日(土)〜2025年11月9日(日)

開館情報

時間
10:00 〜 17:00
休館日
月曜日
月曜日が祝日の場合は月曜日開館し翌日休館
入場料 一般 1600円、大学生・高校生 800円、中学生・小学生 500円
会場 徳川美術館
https://www.tokugawa-art-museum.jp/
住所 〒461-0023 愛知県名古屋市東区徳川町1017

アクセス JR中央本線・名鉄瀬戸線・名鉄名城線大曽根駅南口より徒歩10分

「草間彌生 版画の世界―反復と増殖―」

 

本日は9/27(土)より松坂屋美術館にて開催されます素敵な企画展のご案内です。

いまや世界の草間と言われるほどの人気作家となりました。

今回は版画作品にフォーカスした内容のようです。

是非、草間ワールドをご体感ください!!

 

 

 

 

 

 

本展は世界的前衛芸術家・草間彌生(1929~)の版画の世界をご紹介する展覧会です。

草間彌生は1993年第45回ヴェネチア・ビエンナーレにおいて、日本を代表する作家として世界の舞台へと立ちますが、その前後で積極的に版画制作に取り組んだことも、現在の評価につながる大きな原動力となりました。

草間彌生は1979年に版画作品を初めて発表します。

そこには米国から帰国後の死や苦悩をテーマにした作品とは対照的に、華やかなモチーフが色彩豊かに表現されています。

それまでの抽象的な表現に加え、南瓜、ドレス、葡萄、花や蝶など日常的なモチーフが網目や水玉で構成され、明瞭な色彩をまといます。

網目や水玉の増殖が創作活動の根幹にあった草間と、複製芸術である版画は必然的に出合ったと言っても過言ではないでしょう。

近年は、富士山を主題に浮世絵の木版画の技法を用いた連作や、モノクロームの大型シルクスクリーン作品「愛はとこしえ」シリーズなど、特徴的な作品を発表しています。

本展覧会では、世界最大級の草間コレクションを誇る草間彌生の故郷・長野県松本市にある松本市美術館が所蔵する160点にも及ぶ版画作品から厳選した作品に作家蔵の作品を加え、草間彌生の版画芸術の魅力と軌跡を展観します。

 

スケジュール 2025年9月27日(土)〜2025年11月16日(日)

開館情報

時間
10:00 〜 18:00
入場料 一般 1800円、大学生・高校生 1300円、中学生・小学生 600円、未就学児 無料
展覧会URL https://www.nagoyatv.com/program_event/yayoikusamaprintworks.html
会場 松坂屋美術館
https://www.matsuzakaya.co.jp/nagoya/museum/
住所 〒460-8430 愛知県名古屋市中区栄3-16-1 松坂屋名古屋店 南館7F

アクセス 地下鉄名城線矢場町駅地下通路より直結、地下鉄名城線・東山線栄駅16番出口より徒歩5分